モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第18章 同輩達と支部
蓮琉(ヒュース)視点
遊真達と話していると、任務終わりの宇佐美が「みんな聞いて!」と叫びながらリビングに入って来た。
「どうしたんだ?栞ちゃん」
「お、落ち着いて聞いて欲しんだけど」
「まずお前が落ち着け」
「それが落ち着いてられないの!」
切羽詰まったような、それでいて少し嬉しそうな声音で話し始める。
「あ、あのね!明希ちゃんがーー」
シュウ視点
本部に入ってすぐに公平達はトリオン体に換装した。
生身の時の状態がどうであれ、トリオン体に換装すれば痛みも疲れも感じなくなる。
「ふぅ、楽になったな」
「悪かった」
「気にするな。それより、シュウは大丈夫なのか?」
「何がだ?」
透達に俺を心配される。何か心配されるような事しただろうか?
「さっきすっげぇ威圧当てただろ?それで精神的に疲れてんじゃねぇかなって」
「あぁ、それか。別に何ともねーぞ?明希の方は精神的に少し疲れてるみたいだけどな」
最近寝れてないのも相まって、少しなんてもんじゃなくだいぶ疲れてるみたいだ。
「それ、大丈夫なのか?二重人格って精神的な病気の一種だろう?」
「秀ちゃんは物知りだな。これくらいなら大した事ねぇよ。寝たらすぐ「どうやって寝るんだ?」治る...どうしたんだ?公平」
声を被せた公平は少し怒っている様だ。
「どうやって寝るのかって聞いてんだ。心当たりが無いとは言わせねぇぞ」
「どういう事だ?」
「こいつ、少し前からウチの隊室で泊まってんだけど、その時からずっと寝てないらしいんだ」
「...ソースは?」
「太刀川さん。ウチに来てから五日くらい経ってんだけど、太刀川さん曰くマジで「ずっと寝てない」らしい。なんて言うの?野生の勘?みたいなやつ。だから、相当疲れてるはずだ」
そう言った次の瞬間、ニヤッとやらしい笑みを浮かべて俺を抱き上げる。
「うわっ!ちょ、公平!?」
「疲れてるやつは無理せず大人しく運ばれてろ。ちゃんと隊室まで送るから心配すんな」
「心配はしてない。けど...これは...」
恥ずかしいだろ!自分でも顔が真っ赤になっているのがわかるくらいに顔が熱い。落ちないように首に手を回しているせいで顔も隠せない。
「シュウ、顔が真っ赤だぞ」
「うっさい!」
走ってくれたおかげで早く隊室着いたものの、すれ違う人からは好奇の目で見られた。
消えてしまいたい。
