第1章 1年目
「マスター!」
出撃を間近に控えた一人の貴銃士が、手に銃を抱えて走ってくる。
「どうしたの?シャルル」
私はふわふわとした金髪を持つ彼に答えた。
彼の名はシャルルヴィル。この基地に初期からいた貴銃士の一人で、経験を積んでいるため作戦の時は欠かせない大事な戦力である。
「これ!新しい古銃が見つかったんだって!」
はい、と彼が差し出した銃は、やはり例にもれず古びたものだった。銃に関しての知識がまだあまり無い私には、彼ら本体の細かな違いは分からない。
「分かった。呼び覚ませられるかどうか、やってみるね、作戦、行ってらっしゃい」
そういうとシャルルは、マスターも頑張ってねと言って去っていった。
後には私と、貴銃士として目覚める可能性を秘めた一丁の銃が残された。