第64章 終演後の物語
これで罪が償える。
そう思いながらクリストフは23になった時、
初めてナターシャに声をかけたれた。
動揺しながらも話したけど、彼女の声はあまりにも綺麗で、可愛らしくて、ずっと聞いていたいと思うほどだった。
それから何度か会話をし、友達と言えるほどになった頃には
クリストフはナターシャに本気で恋焦がれていたわ。
ああ神よ。これが運命。これが宿命なのですね。
でも私はー・・・
そしてクリストフはナターシャを舞踏会に紹介し、
やっと思いを告げられた。
ナターシャと愛し合える。その気持ちさえあれば、
もう私はいいのです。後悔などないのです。
ただひとつだけ後悔するというならば・・・
ナターシャともっと一緒にいたい。
二人の思いが伝わった頃にはナターシャは20。
クリストフはー・・・26だった。
「今の私は27だよナターシャ。もうすぐでお前とお別れなんだ。」
「嫌・・・嫌よクリストフ!!」
「すまないナターシャ。お前の最愛の両親を、私の勝手な気持ちで・・・簡単に・・・殺してしまって。許されることではない。すまない、すまない」
「だったらあなたがずっと私の傍にいてよ!ずっと一緒に・・・一緒にいて・・・。」
「ナターシャ・・・愛している。これは嘘偽りない、本当だ。好きだ、好きなんだナターシャ。」
「私もよクリストフ。例えあなたが親を殺した罪人だとしても、もうあなたを愛してしまったもの。嫌いになるなんてできない・・・!好きよ、愛している」
二人はそれからずっと一緒にいるようにした。
とても幸せだった。
でも、満月は近づくばかりー・・・
そして、
クリストフの
30の誕生日がきたわ。