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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第35章  覚悟


 その後数日かけて私達は今回の巨人襲撃の全容を調査し、討伐された巨人の数や、被害を受けた村の数など全てを調べ尽くしたのだった。
 まだウォール・ローゼ内に巨人がいる可能性が考えられたため、駐屯兵団の協力も得て壁内はくまなく巡回された。

 その中で、複数の巨人が討伐されたと思われる形跡の残る104期生を隔離していた施設で、変形した立体機動装置のボンベが転がっているのが発見された。落ちていたのはそれだけで、立体機動装置の本体はどこにも見当たらなかった。
 そしてボンベが転がっていた周囲には、人間のものと思われる血液が撒き散らされており、あたりの草は真っ赤に染まっていた。そのおびただしい血の量から、かなり大柄な人間から流れ出たものと推測された。

 状況から判断して、その大量の血液はミケ分隊長のものであると推定されたのだった。ミケ分隊長は、巨人発見の知らせを部下に託して、巨人の足止めのために一人でこの場所に残られたのだ。
 そして…ここで命を落とされた。真っ赤な血とボンベの他には、何一つ残っていなかった。身体の一部も、服の切れ端ですらも…。

 赤く染まった草に土をかけながら、私達はミケ分隊長の冥福を祈った。ミケ分隊長が人の匂いを嗅いで「フッ」と鼻で笑う顔が思い出されて、涙が出た。


 今回の一連の作戦で、調査兵団は熟練兵士の大半を失った。その損害はあまりにも大きく、調査兵団の今後の運営に大きな影を落とすことになるのは間違いないと思われた。

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