第34章 おかえり
エルヴィン達を見送ったすぐ後に、かき集められた増援の駐屯兵団と共に俺もハンジ達のもとへと出陣したのだった。ニック司祭の監視はひとまずトロスト区に待機する兵士に任せる事にして。
報告兵によって知らされている現状は、最悪と言っていいだろう。隔離していた104期生の中に3人もの巨人が紛れていて、エレンはさらわれ兵団の頭脳であるハンジが重傷を負ったというのだから。
エルヴィンは報告を受けるとすぐさま出発した。さすがと言うべき迅速さだ。おそらく今頃はハンジ達のもとへと到着し、エレン奪還のため壁外に出立しているだろう。
…ラウラがそれに参加しているかは分からない。ただ、早馬で報告に来た兵が壁の上で援護に回っているラウラの姿を見かけたというから、大きな怪我はしていないはずだ。手負いでなければ、奪還作戦にも参加しているだろう…。
すっかり日が落ちて薄暗くなった道は、視界が悪い。エルヴィンに倣って俺達も壁上を馬で駆けているのだが、こう暗くてはあまり速度を上げることもできない。うっかり馬ごと壁から落下しかねないからだ。