第23章 成果
「おいラウラ、汚ねぇからさっさと捨てろ」
応援に駆けつけたリヴァイが、少し離れた所からラウラに向かって怒鳴る。
リヴァイは特別作戦班を結成して特殊任務にあたっており、その役目の中には、ハンジとラウラという才能あふれる狂人達の護衛も含まれているのだ。
だが、リヴァイの怒鳴り声も今のラウラには聞こえていない。相変わらず食い入るように巨人の首を見つめながら、上下に振ったりしている。
「あぁー…兵長、アレは完全にダメですね。今のラウラには何を言っても聞こえませんよ」
リヴァイの横に降り立ったペトラが、やれやれといった調子で言う。
「相変わらず凄いですね…。普段が穏やかで大人しいもんだから、たまにああいう姿を見るとビックリしますよ。初めてあの顔を見た時、正直俺怖かったですもん」
狂気じみた笑みを浮かべているラウラを見ながら、エルドがブルッと肩を震わせる。
それにオルオも続いた。その顔は心なしか青くなっている。
「俺は今も怖いっす。ラウラ…顔怖ぇ…」
「やはり、ハンジ分隊長が見込んだだけのことはあるな…。まぁ、分隊長自体があんな感じだし…」
さすがに「奇行種」とは言わなかったものの、グンタはそう言いたげな顔をしていた。