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《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)

第2章 サギ師のあなたに脱がされて


でも、会えて嬉しい。霊幻さんが楽しそうに笑ってくれるなら、何回でもゾンビになるよ。

「俺、腹が減ってんだよ。たこ焼きだけじゃ足りなくてな。飯いくか?」

「だったら、私が作ります」

「え、ゆめって料理できるの?」

「できますよ! 一人暮らししてるんですよ?」

「なら、頼むか」

「はい! あ、でも私の家に来ることになりますけど大丈夫ですか?」

霊幻さんが立ち止まった。

「……ゆめは嫌か?」

「はい?」

霊幻さんはじっと私を見つめた。

「俺がおまえの家に行ったら嫌か?」

嫌だなんて……むしろ……。

私は首を振る。
「嫌どころか嬉しいです」  

「そうか」  

色なき秋の風が優しく二人の間を通りすぎていく。熱い何かが胸にぐっと込みあげてきた。

今なら言えるかもしれない。さっき言えなかったこと。ずっと大切に想いつづけてきたこと。

「霊幻さん!」

「ん?」

「あの、お誕生日おめでとうございます!」

霊幻さんがフッと静かに笑う。
「ああ、ありがと」

「私……好きです!」

「……ん?」

「ですから! 私、霊幻さんが好きです!」

言ってしまった。急に言いたくなった。言わずにはいられなかった。

霊幻さんは目を丸くして私を見ている。

だめだった? どうしよう。つい言っちゃったけど……。

「ゆめ」

「は、はいっ!」
びくっと肩が震える。そのあとに続く言葉が怖い。バカか、おまえはって言われるかもしれない。

「……俺も好きだよ」

「え……?」


え?
 

え? え? え? え?


「俺もゆめが好きだ。前からな。まあ、がっついて気持ちを伝えたりはしてこなかったがな」
少し頬を染めて照れくさそうに目をそらす霊幻さん。


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