第9章 reunion
「大虚……以上…?
…何だよ?まるで…大虚よりまだ上の虚が居るみてえな言い方じゃねえか…」
「…ああ。…いや、正確には、大虚の中に更に三つの階級が存在するんだ。
一つ目はギリアン、大虚の中の最下層で人間に例えるなら雑兵に近い。最も多く、全員同じ姿をしているのが特徴で、尸魂界で一般に大虚として教本などに載せられているのはこのタイプだ。」
『一護が石田くんと勝負した時に追い払った大虚はギリアンよ』
「…あいつが……雑兵…」
「こいつは巨大だが、動きが緩慢で知能は獣並。隊長クラスなら倒すのにそう問題はない。問題は次からだ。
二つ目はアジューカス。ギリアンよりもやや小さく、数も少ないが…知能が高く戦闘能力はギリアンの数倍。数の多いギリアンをまとめる存在だ。
そして三つ目がヴァストローデ。最上級の大虚。大きさは虚としては極めて小型で人間と同程度。数は極めて少なく、虚圏全域に数体しかいないと言われているが…ハッキリ言う。このヴァストローデ級の戦闘能力は隊長格より上だ!」
隊長格より上…か
「そして、破面化によって大虚どもが手に入れる力は未知数だが、隊長格が三人抜け、それがそのまま大虚共の上についた今、これだけは言える。もし現時点で藍染の下にこのヴァストローデ級が十体以上いたら…尸魂界は終わりだ」
『それは困るわね…』
「あ、そうだ。蝶、総隊長が怒ってたぞ…」
冬獅郎が私にそう言った
『?何で?』
「隊首会、来なかっただろ」
『うん。だって私、今休暇中だし。』
「その理由で断ったのかよ…」
『それに、まだ私が出しゃばるのは良くないでしょ?』
「だが、藍染がお前を狙ってるのは事実だろ」
『あー、なんか言ってたね。私を直接殺すらしいけど』
「マジかよ」
『ま、何とかなるわよ。』
「「「これが零番隊の貫禄…」」」
一角と恋次、弓親が声を揃えて言った
「とにかく、現世に破面共が出現することがあればオレたちも対応するが…蝶、オマエも対応しろとの事だ」
『…私の休暇…』
「休暇に関しては、増やすだの言ってたぞ」
『ならいいわ。ただ、そんなに手出しはしないわよ。』