第2章 10月と君と秋風と another story
送ったメールに既読がつかないところをみると、恐らくもう寝てしまったのだろう。
明日は早めに出たいし、私ももう寝ることにしよう。さて、寝る前にもう一度確認しておこう。バッグの中にはハンカチ、ティッシュ、お財布にリップスティック、コンパクトもちゃんと入れた。枕元は明日のコーディネート一式が用意されている。これを選ぶのに一時間近くかかってしまった。お気に入りのスカートに大人っぽく見える(はずの)ブラウス、これで大丈夫なはずだ。もう3回も確認した。
電気を消してベッドにもぐっても、しばらく寝つけなかった。まるで首のあたりにもう一つ心臓があるみたいに、心拍音がうるさくて仕方なかった。