第17章 魂の契り
紫苑「それは・・・まさか・・・“魂の契り“!!」
謙信「魂の契り・・・?
お前らこれが何か知っているのだな?」
紫苑「噂でしか聞いたことはないがな・・・」
謙信「答えろ。知っていることを全て」
紫苑「俺ら夢魔は性別にかかわらず、
基本的に特定の相手は作らない。
異母兄弟や異父兄弟も珍しくない。
そいつと俺みたいにな・・・」
謙信「ほう・・・それで?」
紫苑「だが稀に、魂のレベルで相性のいい・・・
引き寄せられるかのように、
出会う相手というのがいる
近づけばほしいと渇望するような相手がな・・・
その相手に出会ってしまえば、
必然的にその者以外は受け入れなくなる・・・
それこそ呪いのようにな・・・
そしてその相手と俺たち夢魔が交わると証として、
その羽が相手の色に染まる。
ゆえに俺たちはそれを“魂の契り”と呼んでいる。
・・・ああ人間でいうならこうか・・・
運命の赤い糸とな・・・」
紫苑の一言に謙信は驚く。
たしかに自分は葵のことを渇望し、
葵が自分しか、
受け入れられないことを知ってはいたが、
まさかそれがこうなるとは思ってもいなかったからだ。