第5章 アクシデントの活かし方(蘭丸BD)/口づけの意味02 〈完〉
~蘭丸side~
城に戻り、葵様と一緒に天守に向かう
「信長様、蘭丸です」
「入れ」
襖をあけ、葵様がいることも伝え入室する
「どうした?」
「先ほど城下にて葵様がよっぱらいに絡まれました
たまたま俺が葵様を探している途中でしたので
事なきを得ましたが…」
「葵、以前から言っているだろう、城を出る場合には一人でいくなと
正式な護衛が必要だということか」
「ええっそんな、大丈夫ですって、、、これからはちゃんと声をかけます」
「これまで何度このような事があった?」
「…」
「お前は俺に幸運をもたらす娘だ、大人しく守られろ」
「でも、、」
「護衛をつけたくないというなら、お前を城下にだすなという命を下すだけだが」
「そんなっ」
「そもそも、織田家縁の姫が一人でふらふらしているのが問題だ」
「分かりました
でも、何かあったときの対処法も知りたいです
何かあったときに自分の身を守れるようになりたいんです」
「いいだろう、・・・ついてこい」
二人のやり取りを見守っていたが
ふいに立ち上がった信長様の後に続く
広間に入り
「蘭丸、後ろから襲われた際の外し方を教えてやれ」
「はい」
「じゃあ葵様、俺に後ろから抱き着いてみて
外す方法を見せるから」
「う、うん、えい!」
可愛らしい掛け声とともに、
後ろに柔かいものが被さってくる
このままにしておきたいのは山々だけど…
痛い思いをさせないように気をつけながら拘束を外し
反対に腕の中に捉える
「っ!!きゃっ」
「と、こんな風に…」
「どうした!葵!」
勢いよく襖が開かれる音とともに秀吉さんが飛び込んでくる
「え?」
なんでもないですよ秀吉様…と言う前に
葵様が秀吉さんの腕にいる
「蘭丸!お前なにやってんだ!!」
「やはりな…こうも簡単に釣れるとはな」
後ろから信長様の面白そうな声が聞こえてくる
「広間に来たのはこのためですか…信長様も人が悪いですね!」
「信長様!どういうことですかこれは?」
「まぁよい座れ。あとで説明する。まだ釣らねばならん」
「は、、」
「蘭丸、葵、始めろ」