第11章 【番外編】マツノトクエスト 第十章
「魔王にはあんな配下もいたんだな、初めて見たが」
「そうだ、か、カラ松! 傷は?!」
「ん? あぁ、さっきハーブをナス子が口に放り込んでくれたからな、もうリカバリーしたぜぇ」
カラ松の言葉と、燃えてしまって火傷を負っていたであろう背中をペタペタと触るが不思議な事に服まで戻っている。
これぞゲームあるあるなのだろうか?
しかし治ったのなら良かった。
「ありがとう、カラ松……おそ松も! 出会ってから酷い事ばっか言ってくるけど本当は頼りになるんだね」
お礼を素直に言いたいのだが、今までの扱いが扱いなだけに素直にそれを言うのが恥ずかしくモゴモゴしてしまう。
そんな私の顔を見て、おそ松とカラ松は真顔で二人顔を合わせた後、二人で吹き出してしまい、何故笑われてるのかわからない私はどうすればいいかわからない。
「もうっ、最後にモンスター倒したのぼくでしょぉ? ぼくにも何かないの、ナス子」
「あ! トド松も!! ありがとうっ、最初は私達を見捨てて隠れてたけどぜーんぜん気にしてないから! 全然!」
「言葉にトゲを感じるんだけど~?」
「気のせい気のせい!」
果たして私達は、こんな所で苦戦しているのにダンジョンなんて入って大丈夫なのだろうか。
「んじゃ、お前ら! 改めて行くぞっ、ダンジョーン!!」
目前を見ると、遺跡のような場所があり、ここから緑色の地面は冷たい石の道へと変わる。
ボロボロになったその場所に足を踏み入れ、ダンジョンの入り口を探すのだった。