第10章 【番外編】マツノトクエスト 第九章
「あぁ、そうだ。トド松、お前レベルいくつなの? 聞くの忘れてたわぁ」
「ぼく? ぼくはレベル15だけど……まだまだ低いよねぇ。ハハ、恥ずかしい~」
レベル15?!
他の二人は出会った時はレベル6だったのに、トド松は今の私達と同じレベルの15とは……、皆共通って訳じゃないって事ね。
そう言えばトド松は昨日私達のレベルを聞いていたなぁ、なんて事を思い出して、その恥ずかしいなんて言う発言はわざとに違いない。
おそ松やカラ松も意外そうな顔をしてるし、もしかしたらカラ松とトド松が出会った時はもっとトド松のレベルは低かったのかな?
トド松のレベル聞いてビックリした表情もしてるし。
「トド松、お前レベルアップしていたのか……いつの間にそんな」
「ふふん、少しくらいは強くなくっちゃ勇者一行を倒せないと思ったからね! ジム行って鍛えてきたんだよ」
「じ、ジム!? 聞いてないぞ?!」
「言ってないからね」
ドライモンスター、ここに健在だ。
ていうかこのゲームにジムってあるんだ。
一体どんな鍛え方と言うか訓練をするんだろう?
ちょっと気になるぞ、それ。
「はー、俺らもレベル上げといて良かったわぁ! 魔王一味よりレベル低かったら危なかったもんなぁ」
「アンタ達は昨日既に危ない状態だったでしょうが!」
「お前だって同じようなモンだろぉ?」
「ちっちっち、私はちゃ~んとトド松を倒しましたから!」
ふふんと鼻息を漏らしてドヤ顔に腰に手を当てて勇者を見てやる。
なははは、倒したのは実は私であり私ではないとでも言うのだけども、むざむざ捕まったエロイ二人とは違うのだよ。
「どーせまたあのイケメン連中に頼んだんだろぉ、ズルイよなぁ召喚って」
「あぁ、あの眩い光を放つナイスガイ達の事か……フ、しかし俺のカッコよさには適わないがな」
「ダンジョンあっちだよー」
「わぁい! 行く行く~!!」
「えっ」
クソ顔でイケメンと競うカラ松を見捨て、私達はトド松の案内で近くにあると言うダンジョンを目指し歩きだすのだった。