第9章 【番外編】マツノトクエスト 第八章
「明日はそろそろこの街から出るかぁ~くぁ……」
「そうだな、ずっとここに滞在していても仕方ないし、先に進むべきだろう」
「そうだね、魔王様もトト子様もぼくらがここの街にいるのは知ってるから、発つならなるべく早い方がいいかもよ」
え、早起きするって事?! それは嫌だなぁ、ダラダラ寝て過ごしたいなぁ。
冒険はしたいけどもう少しだけゆっくりしてたいなぁ。
「何を納得してなさそうな顔してんだよ、ちゃんと朝起きろよ?」
「おそ松、アンタにだけは言われたくはないけどね!」
「んだよ、俺はお前より早起きだし!!」
面倒な喧嘩が始まりそうだったのを、慣れてきたカラ松が割って入り二人の口論を止めてくれる。
「よすんだ二人共。 明日は早くにここを発つ事に決まったんだ、今日は早く寝ようじゃないか」
今日は今日でピンクな店事件で疲れたし、その上喧嘩までして余計な体力まで減っちゃったらさすがにグッタリしちゃうもんねぇ。
止めてくれる人がいるって有難いわ。
「ねぇ、ぼくはどこで寝るのかな?」
忘れていたが、一人メンバーが増えるとどこで寝るのかわからない。
ソファはカラ松が寝ているし狭い、よって私はおそ松の顔を見る。
「は?! 冗談じゃねぇよ、何で俺が男と同じ布団で寝なきゃいけない訳? 寝るならお前が一緒に寝ればいいだろっ」
言い返された言葉にムっとして頬を膨らませてしまう。
私女性なんですけど? なんで女性の私が、しかもさっき襲われかけたトド松と寝なきゃいけないのぉ?!
「ん~、でもぼくも一緒に寝るならナス子の方がいいなぁ、女子力はないけど何かいい匂いするし!!」
トド松はそうニコニコと甘えるように近づいてきて、勝手に私のベットに乗り込み、躊躇なくそのまま布団に入ってくる。
まぁ、別に一緒に寝るのは初めてでもないし、手を出さない自信もあるみたいだから……いっか、面倒だし、眠いし。
「んじゃ、けって~い!! 皆、明日は朝に出発するからな、覚悟しとけよー!!」
「「「おー!!」」」