第8章 【番外編】マツノトクエスト 第七章
「なはははは、それで村長に旅に出ろって言われてぇ~。無理やりおそ松に連れてかれるハメになったみたいな? しかも童貞で純潔の乙女じゃないとダメとか意味わかんなくない?」
「へぇ~、勇者様達は童貞でナス子は経験なしって事かぁ。それじゃあそうなくなったらもう伝説の力もなくなっちゃうのかなぁ?」
ケラケラと気分よくついつい話してしまう。
友達という事で心を許してしまうのもそうだが、トティ美は聞き上手で話も上手い。
そして接客術に長けていた。
だからこそ気を許してつらつらと喋ってしまう。
ゲームの世界と言えど女の子同士の会話楽しい!!
「トティ美はここに来るまでは何をしてたのぉ?」
「え、私………? わ、私はその、一人で冒険してたよ!」
パチパチと目を大きく開けて唖然とする。
こんな華奢そうな体で、女の子一人で冒険なんて素晴らしい!
「わぁ、凄いねっ! カッコイイよトティ美っ、一人で冒険とか尊敬する~」
「は、はははは、そうかなぁ? 褒められると私もちょっと照れるぅ」
それにしても本当に可愛いなぁ。
頬を隠してしまってモジモジして、お化粧の所為か色気もある。
女の子ってのは本来こういうものなのか。
確かにアイツらに言われると、トティ美と自分と比べちゃってなんかギャップに納得がいってしまうと言うか……。
「ふわ……」
「あれ? ナス子眠いの??」
「うへへ、実はあんまりお酒強くなくってさぁ今日はちょっといつもより飲んじゃったし眠くなってきたかもー」
目をゴシゴシ擦り、今にも眠ってしまいそうになってしまう。
おそ松達はまだお姉ちゃん達と遊んでるだろうし、まだ残っていくだろうなぁ。
先に置いて帰って寝ちゃおうかなとも思うけど、私が一人で宿に帰ると多分怒られる。
主にカラ松。
アイツは現実世界では超がつく程私に過保護だ。
おそ松はただ拗ねるだけだけど、私の事を心配してくれているのはわかる。