第36章 第三十五章
「一松、今までどこにいたんだよぉ俺たち探してたんだぜ?」
「それは秘密」
「えぇ!?秘密ってなに、心臓がキュってなるっ」
「言ってもいいけど聞いてもつまらないよ、俺の話なんて」
「でたー、一松兄さんのネガティブ発言。今となっては懐かしいよね」
「ブラザー、そう冷たくするなよ。やっと会えたんだ、もっと再開を喜び合おうじゃないか」
「けっ、死ねクソ松」
みんな普通に会話してるけど気付いてるんだろうか、一松に記憶がある事。
でもなんだかこんな風に皆が喋ってるとなんか嬉しいなぁ。
あとは十四松さえ仲間になれば全員揃うもんね!
今まで一松がどこにいたかは黙ってた方がいいのかな?秘密って言ってたし。
多分、元魔王の幹部だったカラ松達は一松が同じ魔王の幹部だったって事を知らないみたいだもんね。
「……ん?ちょっと待って一松。今カラ松の事クソ松って言った?!」
「言ったけどそれがなに」
おお、さすがは1番のツッコミ頭なだけはある。
チョロ松が会話の違和感にやっと気付いたようだ。
同じようにハッとしたトド松が一松を指差す。
「え?え!?……一松兄さん、記憶戻ってるの!?」
「戻ってるっていうか、俺はなにも忘れてないから」
そういう一松はさっき私に話してくれた内容を皆に話すのだった。
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