第34章 第三十三章
「あの、私の他にここに誰か落ちて来ませんでしたか?なんかこう、やる気のなさそうな……一生働きたくありませぇ~んみたいな顔した連中なんですが」
「働きたく?えっと……いや、落ちてきたのは貴方だけでしたね」
「そうですか……」
うーん、あの穴に落ちたのが私だけだったって事?
慌てて後ろを追ったけど一緒に落ちた訳じゃないもんな……もしホントに私一人だけが落とし穴にハマったって知られたら絶対バカにされるし怒られるなぁ、嫌だなぁ。
「でも貴方がここに来てくれて良かった、実はこの部屋に閉じ込められてしまって困っていたんですよ」
「え、閉じ込められた?」
「はい、実は私も天井からここに落ちてきたんですが部屋を出て行こうとしたらそこの扉が開かなくて」
「扉が開かない?!嘘、部屋から出られないの?」
開かないと言われたけど一応私も確かめてみようとドアノブを回してみると、確かに開かない。
実は横開きでした~!なんてオチもちゃんと考えて試したがそれもダメだった。
「嘘でしょ~、これじゃ他の皆と合流どころか一松の事も探せないじゃん」
「一応力任せにも開くか試したんですけどね━━━━━━おっと」
【 イケメン の 攻撃 イケメンは壁ドン を仕掛けてきた 】
「わ!びっくりした……っ」
攻撃と言う文字が出ているけど、振り向いた私の前で躓いてしまったイケメンが壁ドンならぬドアどんをするような形になってしまっただけなのだが私は見事にすり抜けて回避する。
カラ松なんかと違って様になるなぁなんて素早く回避した私は後ろからドアどんしてしまった男性の背中を関心しながら見てしまった。