第33章 第三十二話
「折角五人もいるのに個人で聞き込みが出来ないなんて情けない……」
一人一人で猫を探そうなんて話をしていたのに、おそ松とトド松は賭博場に行っちゃうし、チョロ松はメイドさんが可愛いお店に入り浸るし、カラ松はそもそも人に話しかけられないしで……いや、一番情けないのは私かも。
コイツらの性質を知っていながら自由にさせた訳だし。
「でもぼくのお陰で新しいクエスト情報が知れたんだし結果良かったでしょ?」
「くーっ、文句言いたいけどそればっかりはありがとうございます」
「へへっ、どういたしまして~」
抜け目ないって何回言ってるかわかんないけど、トド松って結構この世界でちょいちょい活躍してるな。
ドヤ顔のアヒル口がムカつくし、兄三人も睨んでるけどね。
睨める立場ではないけど!!
賭博場の帰り、私達はトド松の意見を参考に人を雇う事にして、今は情報屋さんに立ち寄っている。
猫のイラストを渡して、あまり覚えてないけど思い出せる限りだけの情報を話した。
「なるほど……その情報だけでは中々難しいですね。依頼はこの猫を探す、と。 値段によって捜索人数が変わりますがいかがいたしますか」
トド松が言うように、誰かを雇って一緒に探してもらった方が効率がいいもんなぁ。
「ちなみに見つからなかった場合も同じ金額がかかりますが宜しいですか?」
「えー?!見つかんないのに同じ金額かかるのっ?おっちゃん、そりゃないでしょぉ。せめて半額!!いや、全額返金で……っ」
「捜索に時間も人もかけるんだから無理いうなよ、本来なら僕達が自分達だけで探すものなんだし、まぁ半分くらいは返ってきたら嬉しいけどさ」