第31章 第三十話
ふと思ったんだけど、あの玉ってこの物語の中ではかなり重要な物になってくるんじゃないだろうか?
だってアレのおかげで仲間の確認も出来たし、呪いの件だって私のキスだけじゃなくってあの玉が光ったのには意味があったと思うし、スキル入手もそうでしょ?
まだまだ謎が深まるばかりの代物だけど先行き不安ではあるかなぁ。
「まー、こうしてても仕方ないし泉の水だけ瓶につめて一旦宿に帰ろうか」
チョロ松の意見に賛同してやっとこさ登って来た場所から下山する事になるのだが、この下山で玉の大事さというのがやはり思い知らされることとなった。
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HPもMPも泉の力で満帆スッキリ回復!これならもう来るものなんでも来い!!
なんて言えないくらい帰り道のモンスターとの戦闘はズタボロだった。
「おっかしいーなぁ、なんで剣も壺もあたんなくなったんだ?」
「俺の酔拳も全くと言っていいほど効力が感じられなかったな」
「チョロ松兄さんなんてずっとンーンー言って座ってるだけだったもんね?魔法使えなくなったんじゃないの」
「人の事をとやかく言わないでよ、トド松だってダンス忘れたとか言ってたろ?!」
と、この調子。
我々の調子はすこぶる悪くなった、モンスターがいれば私がなんとかするか逃走するのみ。
「あの、あの、いいですか……はぁ……私一人で、めちゃ疲れたんでんですけど」
四人の男手があるっていうのに唯一戦えるのは私一人になってしまい、宿の部屋に戻ってベットに横たわってぜぃぜぃしている。
死んじゃう、このままじゃ私死んじゃうから!!