第28章 【番外編】マツノトクエスト 第二十七話
「まぁ、チョロ松兄さんが言う事もわかるよ。これはキス(強調)じゃなくてあくまで呪いを解く術っだからね、ぼくだってカウントはしてないしぃ」
「お前らなぁ、確かに私だってこの中はバーチャル世界だしき、キスとか思ってないしカウントにすらするような事にはしないけど逆に言われるとなんかムカつく!!」
チョロ松とトド松は二人目を合わせてウンウンと頷いている。
お互い、認める事はせず自分達のファーストキス?を守っているようだ。
ま、童貞だし初めてのキスって言ったら夢見るものだもんね。
「しかしこのバーチャル世界と言えど、その……マウストゥーマウスと言うのは……やけにリアルな感触に感じたな」
カラ松は純情男子のように一人だけ唇に指をあてて感触を思い出しているように見える。
あ、それはそれでやめてほしい、こっちまで照れるし!!
「だーーーっ、ごめん!! いいっ、チョロちゃんとトッティの意見のまま通していいからカラ松もノーカンて事にして!? 思い出さないでっ」
これだけ騒いでも、ケロべロスは起きる気配はない。
チョロ松の魔法ってすぐに解けそうかなって思ったけど効果はあるんだな、魔法使いてか賢者だもんね、色んな意味で。
なんか会話の方向性がキスだの呪いの解いた後だのの話になってるから早く会話を変えたい所。
そんな慌てる私がさっさと鍵を使って部屋に入ろうと発言する。
「か、鍵も手に入れたし中に……」
「ちょーっと待った! 色々お互いの情報収集先にしておきたくない? 特にチョロ松兄さんは見た所今日は魔王の幹部としてここに来たんでしょ? それに何で十四松兄さんに誘拐されたのかも知りたいし、十四松兄さんは記憶があったみたいだし……」
「フ、確かにそうだな。俺達を見る十四松は確実に俺達の事を覚えていた。それにチョロ松が攫われた後に何があったかも知りたいしな」
「……んー、それもそっかぁ。じゃあ、こっちに戻る?」
ちょいちょいと回転壁を指さすと、カラ松、トド松は首を傾げる。
私達がここから来たのは見てなかったようだ。