第25章 【番外編】マツノトクエスト 第二十四話
「………うぃっく、お前……なぁにしてんだぁ?」
パンの人が私を物凄い目つきで見下ろす。
「何って、大事な人を傷つけられたら普通は我慢出来ないでしょ?」
「うげぇえぇえ……」
「この吐いてるやつ?」
「そう、吐いてるやつ」
よく吐くパーティだがご容赦願いたい。
おそ松に危害が加わらないよう、おそ松の前にすり足で移動し、パンの人も腰に手を回し武器を取った。
「…………お前、本当に盗賊か?」
「………………」
ここは何て答えればいいんだろう、仲間ですって言っても今更信じてもらえるのかな。
ここの盗賊団は縦社会でここの部屋は一番奥、だから多分一番の先輩はこの人達と右部屋の奥の人達のどちらか、または両方。
いくら今私が仲間だと主張しても、何らかの処罰は加えられるだろう。
「げほっ………ナス子、ま、待て! 危ないからっ」
私に短いナイフを突きつける相手を睨み返し、お互いの動きを待つ。
でもこの人ハリセン持ってる私に対して警戒してるのか。
普通はハリセンって弱小武器だし気にせずかかってきそうなものだが。
「……その武器」
あ、やっぱそうだよね。
やっと突っ込んでくれた。
でもこっちも牽制しておかなければと思うと口を開く。
「た、ただのハリセンじゃないよ!?私魔法も使えるからこのハリセンはある意味、つ、杖のようなモンだし!」
嘘はついていない、召喚出来るしスキルでなんか出せるし。
「…………風の噂で聞いたが、伝説の勇者のパーティの中に奇妙な武器を持つ女がいると」
「……………!!」
「お前━━━━━━━━━━女か?」
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