第24章 【番外編】マツノトクエスト 第二十三章
大きな盗賊のアジトは洞窟みたいになっていて、私とおそ松が討伐してきていた盗賊がいた場所とは大違い。
あっちはホントに隠れ家みたいな場所だったし。
少しジメっとした空気、壁にかかる松明。
湿度が熱くて汗が出てきてしまう。
中を歩きながら怪しい動きをしないよう真っすぐに前を向くも、視線はキョロキョロ動く私達。
うぉおおお、高そうな壺ぉぉ!!
高そうな石像!!
洞窟なのに飾ってあるものがお洒落。
「あ、コラ。おそ松何やってんだ、てやんでぃ」
「いやぁ、壺って言うと調べなきゃ済まないんだよねぇ━━あ!5000G発見!!」
【 おそ松は 5000G を手に入れた 】
いつもならでかしたぞ!偉いぞおそ松ぅ、とか言うんだけど今は変な動きはしてはいけない。
おそ松の手を無理やり引っ張りまた歩き出して小声で喋る。
「馬鹿、もし誰かに見つかったらどうすんのさ」
「えー、壺の中を掃除してましたとか言えばいいんじゃね?」
「おそ松兄さんほんと気を付けてよね……今はもう敵の陣中なんだからさ」
「…………盗賊の装備を着る……俺、フフ」
「ゴルァ! 巨大なミラーを見つけて立ち止まるな、ポージングするな、自分にうっとりするな」
ミラーとか言っちゃったよ! 鏡でよくない?!
「しっ! ナス子姉も声がデカいから」
「あ、サーセン」
今度はトド松がカラ松の首根っこを引っ掴んで引きずって行く。
一応、戦闘前に中のマップを確認して簡単な地図くらいは作っておこうと言う話をしながらすれ違う盗賊達の数もメモしていく。
さすがにね、出会ってすぐ倒すとか恐ろしいマネしたら危ないからね。
まずはここの内情の把握からだ。
「よっす……ん? おい、そこの!」
━━━━━━━━━ビクッ
挨拶をしてすれ違った盗賊、それが急に後ろから野太い声で話しかけてくるもんだから私達は思い切り身体をビクつかせて立ち止まってしまった。
「……ふぅ。はーい!! お呼びですかぁ?」
おそ松が開口一番元気に返事をして振り向く。
それに合わせるよう私達も笑顔を張り付かせながらも一緒に振り向いた。