第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
「わかった……っ某も覚悟を決めよう……」
「なんで武士?」
意を決して、渡された服を着る。
着替えをしている最中も、無意識に息を止めてしまっていて何度か窒息しそうになった。
「あー、さすがにサイズ合わない感ハンパないね……」
「まーナス子一応女だしなー、しょうがないんじゃね? 袖まくっておけばいけるだろ」
「あとは……コレだな、顔を丸出しだと女だとバレてしまうだろうから、このマスクはナス子がするといい」
長すぎる袖とズボンをまくっていると、カラ松がマスク……というかバンダナ? みたいな物を私に差し出してくる。
確かに、顔が半分隠せればそれにこしたことはないけど、けど。
「それ、盗賊がしてた……?」
「そうだが」
「うおおおお激しくしたくねええええ!!」
「しておいたほうがいいよぉナス子、そんな顔でも一応女に見えるんだからさ」
「殺す」
仕方なくマスクを装着してやっと全員準備万端になる。
いざ参ろうと言う時に3人が何故かコチラを見て肩を震わせている姿が目に映る。
「ぶっはっは、小学生男子かよ」
「に、似合ってるじゃないか……盗賊と言うよりも秘密基地などに遊びに来ている子供のようだ」
「背がちっちゃいから仕方ないけど、なんかその姿笑えるんだけど、ぷぷーっ」
「………てめぇら!! よく聞け! 俺様は今から男盗賊ナス子様だてやんでぇ!」
そうそう、男っぽく振る舞う練習をしなきゃいけないので早速腰に手を当てて偉そうにふんぞり返ってみる。
「「「…………ぶふぉっ」」」
「おいいいい!! 何笑ってんだバーロー!」
「だ、だって……口調が、なんでチビ太……ぷーくすくす」
ハッ、ほんとだ。
気づけばチビ太みたいになってる!けどチビ太って小さいけど男らしい喋り方だし江戸っ子っていいじゃん。
「そ、そんだけ威勢よけりゃだっ……大丈夫じゃね、ぶふーっ」
殴りたいわぁ、ほんと殴りたいわぁ、さっき私が吐いた壺でその頭勝ち割ってやりたい。
なんて怒ってても拉致が飽かないので私達はやっと目的のアジトの中へと侵入していくのだった。
・
・
・