第21章 【番外編】マツノトクエスト 第二十章
「ふむ、まだ仲間にはなっておりませんでしたか、勇者様方の旅路の苦労が目に見えるようでございます。しかしコチラの書は読むだけですぐ覚えられる巻物。とは言っても伝説の名を持つものにしか読めない巻物です、お持ちいただければ必ずやお役にたてるでしょう……お代はいりません、どうぞコチラのスキルの書を魔王討伐の為、お役立て下さい!」
なんと……、借金があるからあまり高すぎるものは買えないかなって心配していたのだが、ここで予想外の、やっとRPGらしいイベントが起きた。
しかもタダでスキル入手っ……!!
「マジ?! タダでもらっていいのぉ? やった、ラッキー♪」
「俺達が伝説の戦士で唯一魔王を倒せる存在だと言う事だからな……爺さん、そのスキル……大事に使わせてもらおうじゃないか!」
「いやー、良かったぁ。ほんとは4人のスキルを覚えに来たんだけどタダで貰えちゃうなんて伝説って言葉サイッコー!」
「ありがとうございます、お爺さん!! これで私も役に立てます」
おっとぉ、余計な言葉を放っちまったぜぇ。
しかし間違ってはいない、だって3人共さ、お前ホント良かったなって言う兄のような視線で見て来てるもん。
私の方がお姉ちゃんなのに……クソ!!
「ほっほっほ、構いません。この場にあったとしても、私や他の者にはこれは読めませんので、どうか魔王を無事に倒し再びこの世界に平和をもたらせていただけますように……」
最後に帽子を脱いで、深々と私達にまたお辞儀をするお爺さんの頭長の真ん中は、それはそれは希望とはかけ離れているような綺麗なピカピカとした頭で……外の日を反射し私たちの目を潰すのであった。
希望どころか絶望だよ、毛根が!!
【 勇者おそ松 の パーティは 新スキルの書を手に入れた 】
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