第20章 【番外編】マツノトクエスト 第十九章
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「━━━━━ハッ!! うげっほ……ごっほっ……ウオェェェェーっ」
急に酸素が取り込めた事で大きくせき込む私。
飲んでしまった水を吐いて地面に四つん這いになって水と言う水を身体から出す。
「鼻の中気持ち悪いっ、ぷ、プール……で、おぼ、溺れた時、みたい…な、ペッペッ……」
ぜぇぜぇと息をつく私だが、さっきは死ぬかと思ったのに今は岸辺に移動している。
息継ぎを何度か荒くしながら徐々に呼吸を整えていくと、目の前にアイツの顔があった。
「よかったぁ~……目ぇ覚ました……」
「お、おそ松?」
「お前なぁ、一人で行くとか馬鹿なの? ハリセンしか武器持ってないのに普通こんな水場に戦闘にくるぅ?」
怒っているような、呆れたような、安心したような表情で息を吐くおそ松。
状況を把握しようとして周りを見回し、今この場には私とおそ松の二人しかいないという事を理解する。
「もしかして……おそ松が助けてくれた?」
「俺以外ここに誰もいないでしょ~、勇者様に感謝しろよぉ、お前」
やはり、私を助けてくれたのはおそ松だったようで、さすがに命の恩人に文句など言うハズもなく、本気も混ざってるけど、冗談交じりで土下座する。
「ありがとうございました勇者様っ、ハハー!!」
「うむ、その態度は宜しい!いやぁ、ほんと心配したぁ、良かった~っ」
「いやはや、ほんとスンマセン……ご心配おかけしましたー!! ハハーっ!」
なんだろう、おそ松の雰囲気がいつもと違うような。
少し柔らかさがあるっていうのだろうか。