第2章 【番外編】マツノトクエスト 第一章
「まぁ……いいんじゃない? 別に俺達に損な事はないんだし、もし何かあったら反対に賠償金を貰えると思えば……くくっ」
「相変わらず闇松兄さんは考える事エグいよねぇ~! でもゲームの世界ってワクワクするねぇ、ぼくあんまりゲームとかやらないけどバーチャル世界に行けるっていう最新テクノロジーは気になるなぁ」
三男を余所に盛り上がるメンバー。
一方もう一人元気で乗り気な五男、十四松は既にヘルメットを被り椅子に座って待っていた。
「イヨッシャー!! バッチコ━━━━━━イ!」
「いいジョー! みんな、椅子に座って準備して欲しいジョー」
やる気のないチョロ松を余所にやる気がある多数の面々に向かってハタ坊は皆を促す。
「いやぁ、持つべきモノは金ヅル坊……じゃなかった、友達だな!!」
「おい、心の中の声漏れてるからね! 金ヅル坊じゃなくてハタ坊だからっ」
おそ松の相変わらずの呼び名も酷いものだが、チョロ松も律儀に突っ込みを入れる。
用意された7つの椅子に座り、全員で機械のヘルメットを被る。
「わー、ワクワクするぅ!!」
「ま、勇者は俺だよなぁ~! なんたって長男だし、主人公的な象徴みたいなモンだしっ」
「フン、何を言うんだおそまぁつ! 勇者と言えばこの俺、世界で一番カッコよく、それに加え優しい男……カラ松しかいないだろうっ」
「うーん、僕は勇者とかは面倒臭いから賢者とかでいいかなぁ……まぁ、プレイしてみないとどうなるかわからないけどね」
「出来れば猫になりたい……」
「じゃあボクはライオーン!!」
「なんでファンタジー世界で動物になるのか謎なんだけど? そうだなぁ、ぼくは可愛い感じの職業か吟遊詩人とかもいいなぁ~」
お決まりのように生まれた順番に喋る六つ子。
いつも突っ込んでしまうが今日の私は突っ込まない。
だってそんな事より早くゲームしたいし!!