第7章 ショコラ scene5
「でもさあ…気のせいかもしれないじゃん…?」
送った後で、智くんが恐る恐る口を開いた。
やっぱ、このコントの勢いに口を挟めなかったようだ。
「念の為ですよ。これからコンサートですよ?また去年の福岡のときみたいなことがあったら…」
派手な靴音を立てて潤が立ち上がった。
「じゅ…潤くん…?」
「まあ、そうだよな。念には念を入れておいたほうがいいよな」
潤が被っていた帽子を取って立ち上がった。
おいていたカバンまで行くと、なにやらゴソゴソしだした。
「あった」
そう言って俺を振り返った。
「翔くん、これ」
「んえ!?」
「持っておいてよ。持ってきてないでしょ?前の護符」
「いや…そうだけど…でも、潤これ…」
「これね、あの後さ行長先生に改めて頂いたんだ」
「でも潤…」
「みんなにこれ以上迷惑かけらんないと思って…で、今まで無事に来てるしさ、翔くん持っててよ」
それは、俺たちが見たこともない立派な護符で。
これは相当行長先生も気合い入れて書かれたものだろうなというのがわかった。
それをご丁寧にラミネート加工してあって、持ち歩けるようにしてある。
「コンサートの間、離さないでね」
「い、いや…でも、行長先生の霊視の結果待ってからな?」
こんな高そうなもの預かれるかっ…