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黒子のバスケ*Short Stories3

第37章 デレたっていいじゃない*高尾*


台所の後片付けを終えて、ちらりと和成の様子を窺うと携帯の画面を素早くフリックしている。

多分ゲームでもやっているんだろう。

「和成、買ってきたアイス食べていい?」

「おー。俺のも持ってきて!」

ここに来る途中でコンビニで買ったアイス。

最近春も深まって、ポカポカ陽気でアイスにはぴったりの季節だ。

和成はひんやり冷たいソーダバーで、私はバニラアイスがサクサクのチョコでコーティングされたチョコバー。

手渡すと私はさっきナポリタンを食べていた時のように、和成の向かい側に座った。

「アイスが美味い季節だよな。うぉっ!頭キーンとする!」

氷にやられたのか、手のひらでこめかみ辺りを押さえている。

笑い転げたり、自慢気にしたり、悶絶したり。

くるくる変わる和成の表情は、長く一緒にいても飽きないから不思議。

あまり感情が表に出ない私とは全く正反対のタイプだと思う。

アイスを食べながら思わずじっと見つめてしまっていたようで、目線が重なると和成は嬉しそうな笑顔を見せた。

「ちゃん、こっち来ねぇの?」

和成は冷たさに慣れたようで、知らないうちにアイスを食べ切っていた。

手でぺしぺしと自分の隣の空いた場所を叩いている。

「…アイス溶けちゃうもん。」

まだ手の中にあるチョコレートバーを噛ると、和成が今度は優しい声で語りかけてくれた。

「じゃあ食べ終わったらおいで。」

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