第2章 手と手を繋いで
莉菜さん、本当にごめん。
神に誓って何もしない。
ほんの少し顔を見るだけだ。
ほんの少しだけ……
(ス…)
木目占いに勇気をもらった俺は天井板をそっと右へとずらす。
当然、部屋の中は真っ暗だ。
開いた入り口から、まずは逆さの状態で顔だけを侵入させて中を伺う。
ちなみに夜目が利く俺は、灯りが無くても部屋の中の様子はハッキリと見えている。
居た。
よく寝てるみたいだ。
部屋の中央に敷かれた布団で、莉菜さんがスヤスヤと眠っていた。
でも…
肝心の顔が見えない。
莉菜さんは身体の右側を下にして、俺の方とは反対側を向いていた。
まずいな、
こんなオチは想定していなかった。
どうする猿飛佐助。
どうす……
その時。