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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第1章 出逢いは突然そして必然


甲板に着地したローはクルーとマリィの方を振り返った。
「おい、あいつらの仲間はあれで終わりか?」
「んー…どうだろ。私が会ったのは多分、あの人達だけだと思うけど。」
「そうか。」
ローはそれを確かめると、自室へと戻っていった。
マリィはローが去っていった部屋を見ていたが、自分を見つめる視線に気づき、そちらを振り返る。
「…?なに?」
マリィは、自分を見つめていた白い大きな熊を見上げた。
「君は、なんて名前?」
「私?私は、マリィよ。」
「俺はベポ!よろしくね」
そう言って、ベポはモフモフの手を差し出す。
マリィは、その手をとる。触り心地がよく、思わず頬ずりしたくなる。
「…マリィの目、すごく綺麗だな」
ベポはマリィの手を離さないまま、その瞳に見とれた。
マリィの瞳は、一見瑠璃色だが、角度によっては吸い込まれそうな海の色にも、燃え盛る炎の色にも、咲き誇る藤の花の色にも、
財宝のように輝く黄金にも見て取れる。
「…ありがとう。」
少し遅れて、曖昧に微笑んでから返す。
それは、この目こそが家族のもとを離れるきっかけとなったから。
今のマリィにとって、その美しい目は言うなれば、『災いの目』でしかなかった。
ベポは少し様子がおかしい、マリィを不思議に思い、聞いてみようとしたが、それは周りのクルーによって遮られた。
「マリィちゃん!君、どこからきたの?」
「これからどうするの?」
「もしかして、俺達の仲間になるの!?」
「やったーーーー!!!」
甲板の上が歓喜に湧く中
「馬鹿野郎。誰が仲間にすると言った。」
その場にひとつの低い声が響いた。
「キャ、キャプテン!」
ローは、やけに騒がしいから出てきてみれば、と呆れた様子だ。
「そいつは次の島でおろす。お前もそれでいいな?」
ローは横目にマリィを見やる。
マリィはローに、力強く頷く。
「もちろん。長い間お世話になるわけにはいかないから。」
「それからどうするかは、お前の決めることだ。」
「うん、だから次の島までよろしくお願いします。」
マリィはそう言って、頭を下げる。
「…ああ。」
ローは微かに頷くと、部屋へ戻っていった。
扉が閉まると、クルー達は口々に残念だ、せっかくなのに、と文句を言い出した。
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