第5章 睡蓮
次の日私は何時も通り中也さんと予定を確認し合う為、執務室を訪れて居た。
『失礼します。予定の確認に…。って如何したんですか?』
「頭痛ェ……。」
『…二日酔いですね。薬貰ってきますから横になっていて下さい。』
「おぅ、すまねェな。」
仕事をする心算は或ったのか一応机に向かってはいたが倒れ込む様に突っ伏せていた。
付き合いが長い為二日酔いであろうと気付くが大きな仕事をやり遂げた後でも無いのに此処まで呑むのは珍しい。
屹度何か呑まざるを得ない様な心境の変化が或ったに違いない。
一人考えながら医務室へ行き二日酔いの薬を貰うとそれを必要としている人の元へ向かった。
『お薬貰って来ましたよ。お水も或りますからどうぞ。』
「助かるぜ。」
『……何か或りましたか?』
「はァ!?いやっ、何もねェ!!ただ呑みたくなっただけだ。」
問い詰めても話してはくれないだろうと思い、そうですか。とすんなり引き下がる。
まぁ問い詰める義理も無いけれど。
『それで今日の予定ですが昨日に引き続き書類整理で宜しいですか?』
「午前中は其れで良い。午後は任務に出る。前に言ってた○△□組織を潰しに行く。」
『分かりました。○△□と云う事は太宰さんも同行するんでしょうか?』
「あァ……。余計に疲れそうだ。」
確認事項は終わり予定通り書類整理を行う。
昨日同様雑談をしながら作業をしていたのだが不意に沈黙が訪れたかと思いきや中也さんが珍しく口籠もりながら発言する、
「そう云や昨日よォ、その……太宰と、何して「やぁ、愛理!今日も清々しい自殺日和だね!」」
事を太宰さんに遮られた。
「手前ェ何で此処に来てんだよ!!さっさと出て行け!」
「やだなぁー。もうすぐ任務だから迎えに来てあげたって云うのに労いの一言も云えないのかい、君は。」
『任務はあと一時間後では?』
「うん、ちょっとね。気になる事が或って。」
『……そうですか、分かりました。』
「いや、俺まだ納得してねーわ。」