第7章 love's oracle ~dandelion~ Ⅰ
「……?」
「だって……
ライアンが…『俺が住んでるホテル』なんて言うから……」
…………………………!!
「アッ……違うからなッ!
そーゆーつもりじゃなくてッ……
純粋ににこの店の料理を食わせてやりたかっただけで……」
「………うん。」
うわッ……一体、俺どーしちまったんだよ。
いつもならここでしてやったりとばかりに「じゃあデザートはお前な」とかってアッサリと部屋に連れ込むのにさ。
今は本気でに誤解されたくなくて必死になってる。
コレ……マジでヤバいかもしれねーな。
その後はちょっと気不味い空気が流れちまったが、デザートが来る頃には何とか持ち直してまた2人で他愛のない話をいっぱいした。
もうヒーローだってのを知られた俺は、バーナビーやワイルドタイガーの失敗談なんかでをたくさんたくさん笑わせてやった。
こんな優しい時間が永遠に続けばいいのに……とすら思った。
デザートを終えて、バーカウンターに移動して、甘くて軽いカクテルを2杯飲んで………
さあ、もうシンデレラはお家へ帰る時間だ。
「さて、もうそろそろお姫様はお帰りの時間だ。
これ以上遅くなったらママが心配しちまうからな。」
「…………。」
何故か無言で俯いたままの。
「どーした?
酔っちまったか?」
「………ううん。」
「ヨシ!
じゃあ行くぞ。」
そう言って立ち上がり掛けた俺の袖を、の小さな手がギュッと掴む。