第7章 love's oracle ~dandelion~ Ⅰ
「なんだかこのお店……凄く高級なんじゃない?」
「そうか?」
「うん……足元のカーペットも、凄くふかふかだし……」
あー……コレ、俺が意識不明だった時に見た夢と同じ遣り取りだ。
そう……この後にが「彩りも素敵!」って言ってくれたなら………
でも流石にそれは無理な望みだった。
「こんな高そうなお店……いいの?」
落ち着かない様子でソワソワするが可愛くて、俺は笑いながら答えてやった。
「だーかーらー……俺様を誰だと思ってんだって!」
「そ…そうなんだけど……
私、こんなお店…初めてだから……」
「、畏まるコトないからな。
ここは俺が住んでるホテルの中にある店なんだ。
まあ、確かに安くはねーが……
プライス云々じゃなくてよ、
本当に美味いからを連れて来たかったんだよな。」
それにこの店ならスタッフ達とも気心が知れてるし。
今夜だってが盲目であるのを考慮した席に案内してくれたり、今オレ達の目の前に並んでいる料理だって食べやすいように全部一口大で調理してくれてる。
の分だけじゃなくて、俺の料理もそうする事で何か特別なサービスを受けているんだと気後れしなくてもいい。
……本当に最高の店なんだ。
ふとに目をやると、フォークの動きが止まってる。
「どーした?
口に合わねーか?」
「ううん……凄く美味しいよ。」
なら、どーして?
何で急に恥ずかしそうにモジモジし出してンだ?