第6章 Loving you is Killing me.Ⅲ 後編
「あのさー……
コイツ、毎晩泣くぜ。
俺に抱かれる度に、最後はいつも『虎徹さん、虎徹さん』ってよ……
アンタの名前呼びながら泣きじゃくって飛ンじまうんだ。」
……………そうなのか?
僕は……全く自覚していない。
でもそれが本当なら……どうしてライアンはずっと僕の隣に居てくれたんだろう?
どうして毎晩「好きだ」「愛してる」って囁いて、僕の身体を労るように優しく抱いて、一緒に眠ってくれていたんだ?
僕も虎徹さんも無言のまま。
それが癪に障るのか……ライアンは更に語気を荒げて虎徹さんへ突っ掛かっていく。
「バーナビーを泣かせてんのは誰だよッ?
毎晩毎晩……泣き疲れて眠っちまうくらいに!
どーせアンタのコトだ。
コイツの想いを受け止めるのが怖くてさ、
バーナビーの為とか自分勝手な言い訳作って、
自己保身のご自愛しまくりってヤツなンだろ!?
それが……守ってやりてーだってェ?
笑わせンな!
どのツラ下げてそんなコト言えンだァ?
アンタ一体、何様のつもりだよッ!?」
ああ……………痛い。
黙ったまま唇を噛み締めて、ライアンの言葉をぶつけられている虎徹さんを見ても……
僕を庇うようにして虎徹さんへ噛み付くライアンを見ても……
自分の身体が真っ二つに引き裂かれるみたいで……痛いんだ。
でも……それでも僕は……どうやったって虎徹さんの事が………