第6章 Loving you is Killing me.Ⅲ 後編
「好きだぜ……バーナビー。」
ライアンの唇が僕の唇に重なりそうになった瞬間……
「嫌だッッ!」
「止めろッッ!」
ヴォ…ンッッ……
僕は能力を発動していた。
そして僕が発した拒絶の言葉に被さったのは虎徹さんの声。
声が聞こえた方向へ視線を向けて見れば、立ち上がった虎徹さんも能力を発動している。
チリチリと青白く発光する僕と虎徹さん。
そんな僕達をチラリと見遣ったライアンは、あっさりと僕の身体を解放した。
「流石、元バディってヤツ?
能力発動のタイミングもバッチリじゃん。
ハンドレットパワー2人分で来られたら
重力王子と言えど一溜まりもねーからなァ。」
「ライアン……貴方、一体……」
僕の問いには全く答えず、ライアンは虎徹さんをキッと睨み付ける。
「オッサンはさァ……
何のつもりで能力発動してンの?」
「バーナビーが『嫌だ』って言うから……」
「言うから……何?」
「………守ってやりてーんだ、バーナビーを。
オレはもう……バーナビーが泣く姿なんて絶対に見たくねえ!」
両拳を震える程にギリギリと握り締めた虎徹さんの言葉は、まるで血反吐を吐くようだった。
だけどそれが余計に僕の心を震わせる。
「虎徹さ……ッ!」
立ち上がろうとした僕の前にライアンの腕が真っ直ぐに伸びて来た。
そしてライアンは僕の動きを制したまま、再び虎徹さんへ低く語り掛ける。