第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
「彼女……急に……どうしたんでしょうか?やはりどこか……」
「あー……あれはな……っ……」
何かを言おうとして顔をしかめる虎徹さん。
「貴方、やはりどこかケガを!?」
「……いや、大丈夫……」
そう言いながらも少し苦しげな様子だ……
「貴方の大丈夫が一番信用できないんです!僕も一緒に病院へ着いて行きますから!」
「へ?いや……」
その時、こちらをじっと見ているライアンと目が合った。
「おっさん大丈夫か?」
「おぉー悪ィな……」
「僕、病院まで付き添いますので会社に報告をお願いします」
「………………」
返事のないライアンに、もう一度呼び掛ける。
「ライアン?」
「早く車に乗せてやれよ。いつまで抱えてんだ?」
「あぁ、そうですね……」
僕が救急車のベッドに虎徹さんを寝かせるのを確認すると
「待ってるよ“バニー”」
そう言ってまた僕の額にキスをしてくるライアン。
「なっ!」
顔を真っ赤にして抗議しそうな僕を、ライアンは制してくる。そして
「バニーじゃねぇな。ハニーだ……」
軽く口にキスをしてきた…………