第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
僕の膝の上に頭を預け、下からジッと僕の顔を見上げてくる。
僕より背の高い彼が、低い位置から見上げてくる。
そして手を伸ばし僕の髪に触れてきた。
「夜に見上げる顔もいいけど、やっぱ昼間もいいな……」
そう言って優しく僕の髪を撫で
目を閉じるライアン……
陽だまりの中、目を閉じるライアンは、いつもの俺様ではなく
僕より年下の……
そう年相応の青年に見えたんだ……
そんな彼の頬を撫でようと、僕も手を伸ばした瞬間
BEEP!BEEP!BEEP!BEEP!
僕たちのPDAが、静かな優しい時間を切り裂いた。
『ヒーロー!緊急事態よ!2部のヒーロー達が追っていた犯人が、NEXTだったの!
タイガーと千代紙が、瓦礫の下にいるの!今すぐ救助に行って頂戴!!!』
僕はバッと立ち上がった。
「いてっ」
ライアンが地面で頭を打ったみたいだ。
頭を擦りながらライアンが言った。
「バーナビー、戻るぞ」
僕はそれに返事はしなかった。
いや、できなかったんだ。
だってもう、そのまま現場に向かって走り出していたから……