第1章 道端での鳴き声は…。
学秀の手には紙皿と牛乳パックが握られている。
学秀『とりあえずそこのコンビニで買ってきた。飲んだら動物病院に連れて行こう。』
『でも、いいの?学校…遅刻しちゃう。』
学秀『理事長には連絡をしておいた。ま、もともと家の都合で登校できない生徒もいる。
出席日数には関係ない。だから僕もこの猫に付き合ってやる。』
赤羽『へぇ〜。じゃ、俺も付き合うよ。』
私は学秀から紙皿と牛乳を受け取り、少し器に入れる。
仔猫は少しミルクを舐め、すぐに飲むのをやめてしまう。
『何で辞めちゃったんだろう…。』
カルマ『ん〜?もしかして冷たすぎるとか?』
学秀『なら、ここから1番家の近い僕の家で温めよう』
私たちは学秀の家にお邪魔して、ミルクを少し温める。
『ほら、あったかくなったよぉ〜!』
仔猫の前にホットミルクの器を置く。
ペロッ……。ペロペロペロペロペロッ…。
『飲んだ!やったぁ〜!!!』
思わず2人に抱き着く。
学秀『………まぁ。』
カルマ『……。まぁ、俺にそんな事して、後で知らないよ?』
『あっ…。ごめん。つい嬉しくって…。』
私は慌てて離れる。
仔猫はホットミルクを完食し、スヤスヤ眠ってしまった。