第2章 彼女の正体。
3時間目。数学。
僕らは席をくっつけ、ノートを見せながら僕は彼女に公式を使った解き方を教えている。
長い髪を耳にかけながら僕の話しを聞く彼女。
薄いピンクの石が先端に着いたピアスが2㎝ほど細いチェーンで繋がれており、耳たぶで揺れている。
僕はそっと彼女の耳に触れる、
ピクッ……!彼女が驚いたように僕を見る。
学秀『この学校ではアクセサリーは禁止だ。僕はこの学校の規律を守る責任がある。
後でかまわない。他にもネックレスとブレスレットも外してくれ。』
彼女は一瞬目を伏せ、『後で…』とだけ呟いた。
昼休みに入ろうとしているが一向に外す気配のない彼女に呆れながら、僕は生徒指導室へ彼女を連れて行く。
2人きりのその空間で僕は彼女の目を見てゆっくり話す。