第1章 変わらない朝は突然に…。
朝起きて、身支度を済ませてから制服を着る。
リビングのドアを開けると、
『おはようございます。学秀様。』と使用人の声と共に、僕がテーブルにつく。
それとほぼ同時に朝食が運ばれてくる。
使用人『学秀様。本日のお飲物はいかがなされますか?』
学秀『コーヒーでいい。』
使用人『かしこまりました。』
しばらくすると、炊きたての豆の香りと共にコーヒーが運ばれてくる。
僕は朝食を終え、新聞に一通り目を通した後、歯を磨き家を出る。
父とは稀に朝食を共にするが、必要な事がなければ僕らの間に会話はない。
今日は父の姿は見当たらなかった。
通学路を歩いていると携帯が鳴る。
ディスプレイを確認すると父からだった。
学秀『何のご用ですか?理事長。』
学峯『おはよう。浅野君。すまないが、今日学校へ着いたらそのまま理事長室に来てほしい。』
学秀『分かりました。では後ほど。』
僕は電話を切り、いつも通り学校へ向かう。
教室には寄らずにそのまま理事長室へ向かう。
コンコンッ…。
『どうぞ。』
学秀『失礼します。』
理事長室の扉を開けると、そこには父とは別にもう1人、誰かが立っていた。