第17章 知らせ。
「んぎゃっ!!!」
私の顔の真ん前にぬぼっと顔が急に出てきた。
佐助が天井から縄を使って
逆さまにぶら下がっている。
天井からぴょこっと顔をだして登場するのは
もう慣れていたものの
まさか自分の目の前に顔が現れるとは思いもよらず
思いっきり声を出してしまった。
「なっ、なに、今の登場。。。
心臓止まるかと思った。。。」
「いや、いつもの登場だと、
もう二人とも慣れてきてたからね。
たまにはスリルと冒険も必要かなって。」
「………いりません。
ていうかいつまで私の鼻先10センチにいるの。」
「あっ、失礼。」
すたっと華麗に一回転して着地する佐助。
変なところで茶目っ気をだすの
ほんとにやめてほしい。。。
ぶつぶつ文句をいいながら、
改めて自分の座布団に座り直す。
佐助はもう既にお茶菓子を食べ、
お茶をすすっている。
「動じないよね。その鉄壁の心に乾杯だわ」
「誉め言葉として受け取っておくよ。」
嫌みのひとつもスルーされる。
ま、そこが佐助のいいとこでもあるんだけど。。。
「まぁまぁ、で、佐助くん、話ってなに???」
はるがお茶も綺麗にのみおわった佐助に
おかわりを注ぎながら聞いた。
「あっ、そうだったね、その話だった。
ついついひなを驚かすことに気が入ってしまって」
「いいから、そんな気の入り方!!」
「でもまず、はるさんの用を聞こう。
隣の部屋のドレスの事??」
「あっ、もう見ちゃったの?
先に私も佐助くんの聞いてからと思ってたから隠してたのに。」
「ごめんごめん。忍び込んだ時に目がいってしまって。」
どうやらはるもいいたいことがあったらしい。
にしても佐助くんよ。
隣の部屋を勝手にみるとか
もうストーカーの域に入っているんじゃないかと
思わずただしたくなる衝動をグッとこらえる。
はるも特に気にしてにいようだし、
佐助の常識というものは
もはや戦国時代仕様に書き換えられているのだろう。
実に柔軟性のある思考だと
ある意味尊敬する。
「じゃあ、先に言うね。
これなんたけど。。。」
私がもんもんと考え事をしている間に
はるが襖をあける。