第17章 知らせ。
家康が巻いていくれた包帯を気にしながら
仕事を終えた。
今日はこのあと、
はるの部屋に呼ばれている。
なんの用事か知らないが
またのろけ話を永遠聞かされるかと思うと
耐えられるか不安だった。
といいつつ、
あの誘拐事件のあと、
しばらくへこんでいたようなので
最近少しずつ元気になっているようで、
それはホッとしている。
気づけば姉のような気分だ。
少し気乗りしない足取りではるの部屋に向かう。
コンコン
襖を軽く叩く。
「はぁ~い」
はるの少し鼻にかかった
かわいい声が響く。
「ひなです。」
どろどろした感情をぐっと押し殺し
返事をした。
「あっ!ひなさん!どうぞー!」
襖をあけると
3人分のお茶と茶菓子が用意してあった。
隅にはもう奥州へいく準備をしているのか
荷造りのようなものもおいてある。
「あっ、これね、いらないものの整理。」
私の目線の先にその荷物があったことに気づき
はるが答える。
「まだ気が早いかもなんだけどね。
いつでもいける準備しとかないと、
政宗、いつも急に言い出すから。」
もうっと困ったようなそぶりをしながら、
嬉しそうな顔をみて、またズキっとくるものがあった。
確かに政宗はいつも突然だ。
強引に私を巻き込む。
でもそれが本当に幸せだった。
いまこの状況でどこかに連れ出してもらいたい。
「そっか。」
気のない返事をする。
「あっ、座って、実は今日来てもらったのは
佐助くんが二人に伝えたいことがあるっていわれて。、。」
なるほど、だから3人分なのかと
思った矢先
「やぁ、お二人ともお揃いで」