第2章 過去の時間
学峯『みなさん、おはようございます。え〜、A組の担任の先生が産休に入られたので、本日から私がこのクラスの担任になります。』
ひなの『まぁ、やったね!』隣の席のひなのが私に小声で話す。
『いや、タイプではあるけど、恋愛の好きではないからね!』
学峯『桃色さん、倉橋さん、ホームルーム中は静かにして下さいね。』
落ち着いた声でそう言われる。
『すみません…。』
1時間目が終わり、教室を出ようとする理事長先生を追いかける。
『理事長先生…。さっきはすみませんでした。』
学峯『いや、みんなの手前注意はしたけど、怒ったわけではないからね。』
そう言って廊下を歩いて行く。
ひなの『優しいねぇ〜!』
その様子を見ていた浅野君がボソっとつぶやく。
『偽善者面もいいところだ…。』
理事長先生の授業はとても分かりやすい。
けど、早過ぎて板書に追いつくのが大変だ。
学峯『では、今日の授業はここまで。分からないところがあればいつでも聞いて下さい。』
『腕がつりそうだ…。』
ひなの『私なんか間に合わなかったよ〜。まぁ、ノート借りてもいい?』
『いいよ!はいっ!』
放課後。
ひなのは、掃除当番があるため、私は1人校門へ向かう廊下を歩いていると…。
『理事長先生!』
学峯『あぁ。桃色さん。気をつけて帰って下さいね。』
『はいっ!さようなら。』
学峯『さようなら。』
中学生活が半年を過ぎる頃には、私は学校生活が大好きになっていた。