第12章 動き出した時間
私は、16歳の誕生日と同時に学峯さんと籍を入れた。
学秀はあっさり私達の関係を受け入れてくれた。
私は浅野家のキッチンで朝食を作っている。
学峯『美味しそうなにおいがするね。』
そう言いながら、私の耳元に顔を寄せる。
『ちょっと、学峯さん、くすぐったいよ!
今コーヒー入れるから待ってて!』
制服姿に桃色のエプロンをする私たちのやり取りを見て、学秀が大きなため息をつく。
学秀『まったく…ロリコンもいいところだ。』
学峯『悪いね。浅野君。見せつけてしまったようだ。』
学秀『フンッ。まぁ、早くしないと学校に遅れるぞ!』
『待って!学秀!置いてかないでー!
じゃあ、行ってきます!また後でね!理事長先生!』
学峯『あぁ、桃色さん。今日の小テスト、期待してるよ。』
そう。私は中高一貫の椚が丘高校に進み、学秀と同じクラス。
そして、私の担任で、この中学高校の理事長でもある学峯さんは、今日も私に優しく微笑む。
恋には色んな形がある…。世間一般からみれば、私たちの関係はいびつに見えるかもしれない。
だけど、私は今とても幸せ。
始業のベルが今日も鳴る。
END
ご愛読頂き、本当にありがとうございました。