第8章 家庭訪問の時間
A組ホームルーム中。
学峯『それでは本日から順番に家庭訪問を行います。
今配った順番にまわっていきますので、皆さんは必ず自宅待機しておくように。では、速やかに帰宅して下さい。』
プリントに記載されている日程表を見る。
私は、最終日の一番最後の時間だ。
ただ…私は一人暮らし。
家に来ても両親はいないし、来てもらう意味がない。
それに……。何されるかたまったものじゃない…。
『はぁ……。』
ひなの『まぁ、どうしたの?理事長先生と二人っきりの家庭訪問、ドキドキだねぇ!』
『ある意味ドキドキだよ…。』
ひなのは意味が分からずただ首をかしげる。
『少しいいか…?』
声のした方を見ると浅野君がいた。
『どうしたの?浅野君?』
学秀『今週の土曜日、空いていたらなんだが…僕に付き合ってほしい。』
ひなの『デートのお誘いだぁ!まぁ、行ってらっしゃぁい!』
そう言うとひなのは帰って行った。
………どうしよ。でも…なんか嬉しい。
『うんっ!私で良ければ。』
学秀『よかった。なら、10時に駅で待っている。』
そう言って浅野君も教室を出て行った。