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【ハイキュー】駒鳥が啼く頃、鐘は鳴る【木兎&赤葦】

第5章 菊合




「先日の夜会で八重様に日美子様のことを話された御婦人、全員の名前を教えてください」

「え・・・?」

甘い言葉でも囁いてくれるのかと思えば、興ざめするような質問。
そんなことよりもう一度赤葦の肉棒が欲しい女は、ベトベトに濡れた膣口を赤葦の太ももに擦りつけながら猫なで声を出した。

「なあに、久しぶりに会いに来てくれたと思ったら、他の女の話?」

「大事な話です」

赤葦は女を押し倒して動きを封じると、氷のような瞳で見下ろした。

「それを聞いてどうするつもり?」

「その方々には今後一切、八重様に近づかないようお願い申し上げるつもりです。無論、貴方も含めて」

「随分な口をきくじゃないの。木兎家の使用人の分際で」

「その使用人に抱かれて快楽を味わっているのはどなたでしょうか」

妖艶に笑ってみせる赤葦に、女は怒りと羞恥で顔を真っ赤に染めた。

「赤葦・・・!」

木兎家の家令については、社交界でもよく知られている。
若くて優秀、かつ美麗な男だと。
光臣は赤葦の才を幼少の頃より見出し、息子の光太郎と同じ教育を受けさせたという。

そのせいか赤葦は時々、光臣のような表情を見せることがあった。


「お答えいただけないなら仕方ない。他に方法はいくらでもあります」

「・・・なんですって?」

「貴方の旦那様、陸軍中将殿は男色も嗜まれるらしく、何度かお誘いいただいております」


そちらから根を回してもいい。
幸いなことに、自分に抱かれたいと思う人間は貴方だけではない。


「御夫婦して私と不義の関係を持とうとは・・・酔狂極まりないですね」


女を見下ろす赤葦の笑みは、妖しさと華やかさを合わせ持っていた。

それはかつて、夜会で何人もの乙女を虜にした光臣が見せたものに似ている。

光臣に胸を焦がした経験のある陸軍中将の妻は、赤葦を小憎たらしく思うと同時に、この美しい家令をどうしても手に入れたくなった。









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