第1章 【番外編】チョコと経験値
〜薙景 side〜
バレンタイン当日───教室
風利
「姉さん、入れ忘れてない?ちゃんと持ってる?」
薙景
「持ってるって…このやり取り何回目よ」
チョコを忘れず鞄に入れて、風利と私はいつも通り登校した。
ガララ
薙景/風利
「おは─「チクショオオオーーーッ!!!」─⁉︎」
教室扉開けた瞬間に雄叫びが耳を劈き、思わず両手で耳を塞いだ。
薙景
「うるさっ」
風利
「み、峰田君…?」
声の正体は、拳で机を叩きながら突っ伏してる峰田君。
上鳴君と瀬呂君が、慰めるみたいにその背中を撫でてる。
風利
「大丈夫…?何かあったの?」
峰田君なら、バレンタインってイベントにはしゃいでるかと思ってたのに…
この状況は予想外、何が起きてるのかまったく分からん。