第13章 球技大会の時間
放送『E組シュート。残り時間、57秒、さぁ、どちらが勝つのか。』
カエデ『まぁ、パス!』
ボールを受け取り、走り出した私の足をバスケ部のキャプテンがわざと引っかける。
私は、その場で転倒する。
カルマ『まぁ、大丈夫?』
ひなの『ひどい…』
キャプテン『わざとじゃないの、ごめんねぇ。』
『みんな、続けよう!』
私は痛む足をフルに使い、残り40秒を動きまわった。
ピピー!
42対42
引き分けだ。
ひなの『まぁ、足、大丈夫?』
『ありがと、大丈…つッ…』
学秀『見せろ!』
『大丈夫だから!』
学秀は私の声を無視して靴を脱がせる。
痛む足を無理して動かした代償か…。
足首は赤く腫れ上がっている。
側に置いてあった救急箱の包帯を取り出し、私の足首に巻いていく。
久しぶりに学秀との距離が近い…。
もう戻れないのかな…。
学秀『応急処置だ。今から病院へ向かう。みんなは後片付けを頼む。』
『えっ…?病院?って、うわ!降ろして!』
学秀にお姫様抱っこされ暴れる私。
カルマ『浅野君さ、そんなに心配なら、意地張ってないで、ちゃんとまぁの話聞いてあげればいいのにぃ』
学秀『ふっ。これとそれとは話は別だ。
僕はこの学校の生徒会長だ。たとえクズのE組だろうが球技大会でケガ人が出たとなれば僕の責任になる。
ただ、それだけだ。』
そう…だよね…。