第26章 学秀オチ③
誰も歓喜の声を上げなかった…。
学秀の腕の中でグッタリするまぁに、みんな声が出ず、ただ涙を流す。
カルマ『浅野君…。寝かせてあげよう。』
コロ『そのままでいて下さい。あまり地面の雑菌に触れさせたくない。』
そう言って、コロ先生は無筋膜に包まれたまぁの体細胞を見せる。
コロ『今から、1つずつ、全ての細胞をつなげていきます。』
そう言うと、光る極細の触手で丁寧に。超精密、超光速に手術を進めていく。
コロ『血液も少々足りません!まぁさんと同じ血液型の人!協力を!』
学秀や磯貝君の腕から血液を採取する。
糸は一切使わず、痕ひとつ残さず、傷口が塞がっていく。
コロ『ふぅ。あとは心臓が動けば蘇生します。』
ビリッ…。まぁの胸に当てられたコロ先生の触手に電気が走る。
『かはッ………。私…。』
学秀『まぁ!!』
学秀が人目を気にせず強く私を抱きしめる。
『学秀!何でここに…?』
E組『まぁちゃーーん!!!』
みんなが私に飛び込んでくる。
ひなの『まぁ、私のせいで…。本当にごめんね!』
『そんなわけないじゃん!ひなの、無事で良かった。』
スーッ。
『ってか、私何て格好!?』
大きく裂かれた服からは豊満な胸がはみ出し、ざっくりと谷間が見えている。
カルマ『あぁ〜、気付いちゃったかぁ。せっかくいい眺めだったのにぃ。』
学秀『見るな!』
そう言って、学秀は自分の上着を私にかけてくれる。
『ありがとう…。学秀。』
学秀『無茶するにも程がある!!帰ったら覚悟していろ!』
その様子を暖かく見守るみんなの後ろで、コロ先生が力なく倒れ込む。
『みなさん、瀕死のターゲットを暗殺者が逃してどうしますか。分かりませんか。殺し時ですよ。』
膨れ上がったレーザーの光は予定に変更がない事を、雄弁に残酷に物語っていた。