第25章 学秀オチ②
演劇発表会当日。
放送『それでは只今より、3年E組による演劇発表会を行います。』
真っ暗なステージにスポットライトが当たる。
ナレーション(律)『桃です。』
コロ先生がピンクの桃の形になり、台に顔だけ出している。
本校舎生徒(……………。)
パッ。2つのスポットライトがおばあさん(まぁ)とおじいさん(カルマ)に当たる。
まぁ『電波エコーで測定しました。これの中で胎児が育っているようなの…。』
律『おじいさんの目の色が変わりました。瞬時にしてこの桃の価値を悟ったからです。』
カルマ『こりゃあすげぇ!とんでもない珍品だぞ!
マスコミが飛びつかないわけがねぇ!
見せ物にすりゃ、俺は一生大金持ちだ!!』
おばあさんがスッと紙を差し出しました。
律『離婚届けです。』
本校舎の生徒&学秀(…………………。)
律『おばあさんは別れる事を迷っていました。ですが、子供の人権を無視するようなおじいさんの非道な言葉。
俺たちではなく、俺という言葉。
おばあさんの心は今決まりました。
30年の結婚生活で2人の間に出来た溝は、まるで洗濯に行った川のよう…(カエデが水色の川に見立てたビーズを2人の間に流す。)
2人の空間の息苦しさは、山の柴を燃やして出たCO2のよう…(桃花がドライアイスの煙を壇上に流す)』
カルマ『この桃は俺のもんだ…。夫婦の共有財産だ!どう分けるかは世帯主の俺が決める』
ガラッ………。